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eyes to me~ 私を見て
第60章 歌姫の覚悟

「綾波は……何処へ行ったんだよこんな時にっ」
苛立ちを隠せない真理を志村はたしなめる様に言った。
「起こってしまった事は仕方ないわ……それに、綾波君は綾波君の考えがあるんでしょう……」
「綾波は、はまじろうに隠れて俺らの側に居たんだろ?
……美名を一人にした癖に……わけわかんねぇ!」
「真理……落ち着いて」
真理は由清をカッと睨み付けた。
「お前、よくもそんな平然としてられるな――!バンドがどうなるか分からん時に……!」
由清は僅かに口元を歪めて真理を見かえす。
「……平然としてるわけじゃないよ」
「そうとしか見えないぜ!そうか、お前は元々バンドに乗り気じゃ無かったからな!これでプリキーがパアになれば自分が楽になると思ってるんだろ!」
「真理――!」
由清は鋭い声で叫び、真理の胸ぐらを掴んだ。

