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eyes to me~ 私を見て
第60章 歌姫の覚悟



「お?何だよ……お前もそういう顔をすんだな~」

 真理は至近距離で由清と睨み合う。
 由清は青ざめながら歯を食い縛った。

「バンドが無くなればいいなんて……思うわけがないだろ――!
 俺にはプリキーが凄く大事なんだよ!皆の事が全部大事なんだ!」
「……っ」

 由清の剣幕に押され、真理は絶句する。
 志村が二人の間に入り、まず真理、次に由清をビンタした。

「し……志村さんっ」

 堺が狼狽えて空の盆を持ったまま右往左往する。

「あんた達、二人とも頭に血が昇ってるようね。
 本当にちょっと落ち着きなさい。
 ……悲しい事に、芸能界ではこういう事はよくあるのよ。私だって……昔はね、騒ぎの渦中に置かれたのよ」

 志村は、雪乃の事、大室の事を思い出していた。
 ペコもうんうん、と頷いている。

「まあ、変な話……人気者の証拠とも言えるわ。
 本人は噂をしてもらいたくても話題にも上らないタレントはワンサカいるからね。
 いずれほとぼりが冷める時が来ます……それまでちょっとキツイけど……」
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