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eyes to me~ 私を見て
第60章 歌姫の覚悟

「堺さん……ペコさんにも……いつもプリキーの事を気にしていただいて……」
「ううん!私も堺ちゃんも、プリキーの音に惚れてるのよ!だから貴方達の為に何かしたくなるのよ!……こんな風に思わせるミュージシャンに、そうそう会った事はないわ!
だから美名さん、負けたらダメよ!」
ペコと堺が頷いている。
美名の頬に涙が伝った。
「もう――美名ちゃんっ!泣いたらダメよ――っ私まで泣いちゃう――」
志村は美名の背中から腕を回して頭を撫でた。
「し……志村さん……私……ごめんなさ……っ」
「謝らないで……何か、いい方法はあるはずよ!
美名ちゃんは悪くない、悪くないんだから、自分を責めたらダメ」
しゃくり上げる美名の頭を撫でながら、志村は子供に言い聞かせる様に優しく言った。

