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eyes to me~ 私を見て
第14章 ジェラシーは甘く、激しく
「ああ……何だか疲れちゃった……」

 美名は、帰りの車中くったりと綾波に身体を寄せた。

「もう酔ってないか?」
「うん大丈夫」

 結局、美名はあれを酒だと思い込んだままだ。
 呆れると同時に、その素直さが可愛くて仕方がない。

「……私、やっていけるのかな」

 綾波は、肩に寄り掛かりぽつりと呟く美名の頭を撫でた。

「まだ始まる前から弱気だな」
「だって……」

 美名が不安がっているのは端から見ても分かった。
 あの庵原翔大という男は、美名のかつての恋人で、翔大が美名にまだ気持ちがあるのだろう。
 当の美名はそれを分かっているかは不明だが。
 junkは確かに実力のある、売れる要素のあるバンドだが、いかにせん個性が強過ぎる。
 美名のまっすぐな素直なボーカルと彼らの演奏が果たして合うのだろうか。
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