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第63章 片恋の終わり

　智也は目を細めた。

｢いや……ファンの人達のビラ配りやネットでの呼び掛けに、路上ライヴ……そういった草の根の活動の成果ですよ｣

｢皆さん、生き生きと働いてますね｣

　若者が多く見えるが、色んな年齢層が集まっていた。親子連れがタスキを身に付けてゴミ拾いをしている。

｢ピンクはまじろうの大量のスーツが思いがけず役立って良かったですよ｣

　サイズも取り揃えていて、小さなはまじろうから大きなはまじろうがあちこちを忙しく飛び回っていた。

｢……あああっ！血が騒ぐっ！撮影を始めても大丈夫ですか ？｣

　堺は目を輝かせてカメラを構えている。

｢ああ、どうぞ。思う存分撮って下さい｣

　智也からOKが出ると、堺は軽い足取りでカメラを手に駆けて行った。