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第63章 片恋の終わり

｢豚彦く――ん、俺らは？｣

　亮介は、エレキギターでエフェクトを器用に踏み攻撃的なフレーズを弾き、その場で華麗なターンを決めた。

　瞬が胸の前で手を組み、乙女の眼差しで見つめる。

｢亮介さ――んっ！素敵ぃよ――っ！僕を抱いて――っ｣

｢マジか！｣

　亮介は、瞬のラブコールに爆笑しながら更にステップを踏み野村に近付き、向かい合わせになり二人で競う様に音を鳴らす。

　三広は肩をぐるりと回し、首を傾げてポキリと骨を鳴らすと、童顔な表情をキリッと引き締めた。

｢さて、練習は本番の様に、本番は本番仕様で！皆、やるよ――！｣

　三広が雪崩れ込む様な細かく激しいリズムを叩き、亮介のギターと野村のベースが乗り、一気にクレッシェンドの独特なグルーヴが生み出される。

｢きゃ――！きゃ――！皆素敵――！やっぱりバンドって良いわあ――！｣

｢超かっけぇ――！｣

　はしゃぐ瞬と豚彦に、髑髏川が呆れて呟いた。

｢いやだから……俺らもバンドだからね？｣