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eyes to me~ 私を見て
第63章 片恋の終わり

桃子は、肩を上下させてしゃくりあげた。
「わ……わた……本当に……っ……
アンソニー……の事……好きだよ……
けどっ……」
由清は、テントの入り口で小さく丸まり泣き出した桃子の腕を掴み引き寄せ、胸の中に抱き締める。
桃子はその小さな手を由清の背に回すと、シャツを指先で引っ張る様にした。
「ア……アンソニー……っごめ……」
「……謝らないで」
「でもっ……」
「謝るなって」
「……っ」
由清は、桃子の小さな頭を壊れ物を扱う様に撫でて、額にそっと唇を付けた。
「……幸せに、なってね……桃子ちゃん……」
「アンソニー……も……ね?てか、アンソニーなら……大丈夫だよ……」
桃子が泣きながら笑うと、由清は複雑に苦笑いした。
「そうかな?」
「絶対にそうだよ!……これ、持っててね」
桃子は、由清にあげたストラップの人形を、由清のズボンのベルトにくくりつけた。
「……何の神様なの?」
「う――ん、桃子大明神かな」
「適当だなあ」
二人は笑い合うと、何秒か沈黙し、どちらからともなく手を繋ぎ合った。
「……頑張ってね」
「うん……」
桃子は、ゆっくりと絡めていた指を離して、テントから出て行く。
由清の腰に付けられた人形が、僅かに揺れていた。
「わ……わた……本当に……っ……
アンソニー……の事……好きだよ……
けどっ……」
由清は、テントの入り口で小さく丸まり泣き出した桃子の腕を掴み引き寄せ、胸の中に抱き締める。
桃子はその小さな手を由清の背に回すと、シャツを指先で引っ張る様にした。
「ア……アンソニー……っごめ……」
「……謝らないで」
「でもっ……」
「謝るなって」
「……っ」
由清は、桃子の小さな頭を壊れ物を扱う様に撫でて、額にそっと唇を付けた。
「……幸せに、なってね……桃子ちゃん……」
「アンソニー……も……ね?てか、アンソニーなら……大丈夫だよ……」
桃子が泣きながら笑うと、由清は複雑に苦笑いした。
「そうかな?」
「絶対にそうだよ!……これ、持っててね」
桃子は、由清にあげたストラップの人形を、由清のズボンのベルトにくくりつけた。
「……何の神様なの?」
「う――ん、桃子大明神かな」
「適当だなあ」
二人は笑い合うと、何秒か沈黙し、どちらからともなく手を繋ぎ合った。
「……頑張ってね」
「うん……」
桃子は、ゆっくりと絡めていた指を離して、テントから出て行く。
由清の腰に付けられた人形が、僅かに揺れていた。

