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第64章 獣と獣の対決

｢お待たせ致しました……十分なら、という事だそうですが……｣

　綾波は、大手プロダクション"ＯＭＩ"の受け付けの前で祐樹とスマホで話していたが、受付嬢に言われて通話を切り、

｢ありがとう｣と会釈する。

　芸能界の最大手プロダクションのＯＭＩには、多くのタレントや俳優、ミュージシャンが所属している。

　特に音楽関係にここ何年かは力を入れていて、西野未菜がその代表格だ。

　綾波は、ある人物に会いに此処へ乗り込んだ。

　アポイントメントなど無いが、必ず面会に応じる筈だという確信があった。