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eyes to me~ 私を見て
第14章 ジェラシーは甘く、激しく
「……おい……火花が散ったぞマジで」

 旋毛の下辺りがジンジン痛む。瘤が出来たかも知れないなーーと思っていると、涙目の美名に額を撫でられた。

 ――おい……
 ぶつけたのはそこじゃないぞ……

「ごっごめんなさい……どうしよう……もし頭を打ってたら……」
 
 綾波は吹き出しそうになるのを堪える。

 ――……だから、頭を打ったんだって……

 綾波は、おもむろに、美名の身体を引き寄せ背中のファスナーを外した。

「悪いと思うなら……気持ち良くして貰おうか」

 美名は真っ赤になり頷くと、身を屈め唇をそっと胸に押し当ててきた。
 髪と柔らかな感触でこそばゆい。
 ファスナーの外れた所から手を差し入れて撫でながら美名に身を任せる。
 柔い唇は段々と下に降りて腹の近くで止まる。
 美名の指が偶然猛りに触れると、刺激で身体が跳ねた。

「うっ……」

 美名の頭を思わず掴んだ時、彼女の身体がガクンと沈んで動かなくなった。

「?」

 僅かに身体を起こして彼女を見ると、寝息を立て始めている。

「おい……マジか」

 美名は腹の上に顔を埋め、気持ち良さそうだ。

「……冗談じゃないぞお前……こんな」

 身体を揺すって起こそうかと手に力を込めたが、美名の頭をいとおしむ様に撫でた。
 はち切れそうな獣は焦れているが、美名の眠った顔が可愛くて、そっとして置きたいと思ってしまった。
 そっとベッドから降りて、美名の身体にシーツを掛けると、伸びをしてムニャムニャ何か呟いた。
 やれやれ、と溜め息を吐いてベッドから離れ、隣の部屋へ行こうとドアノブに手をかけた時、小さな寝言が聞こえた。

「つよ……しさん」


 たったそれだけで、心が甘く満たされて、幸福な気持ちになった。

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