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eyes to me~ 私を見て
第64章 獣と獣の対決

「由清のアホー!いつからそんなに威張りんぼうになったんだよ――!
デビューか!高校デビューならぬ……なんだ……まさにバンドデビューか――っ!」
「デビューでもなんでも結構――!俺がリーダーだからな――っ!
お前もその筋肉馬鹿キャラ、改変した方がいいぞ――っ」
「ぬぁんだとぅ――っ?」
言い合いをしている由清と真理をよそに、美名は肩からギターを降ろし、皆の居る方へ向かった。
いつの間にかボンバーメンバー達も集まっている。皆、スマホと、機材の上に置かれたテレビを交互に見ていた。
嫌な予感に、心臓が押し潰されそうになる。美名も、人混みの外から、皆が注目している画面を覗いてみる。
瞬間、小さな叫び声を上げ、足に力が入らなくなると、視界が大きく揺れた。
「――美名さん?あぶな……っ」
力強い腕に抱き留められ、転倒を免れた。が、唇が震え、まともに声を出す事が出来ない。
「あ……あ……あっ」
「美名さん、しっかり……」
美名を抱き留めたのは堺だった。
ペコが飛んできて、美名の手を握り締める。桃子とマイカも走ってやって来て、美名の手を取った。
「お姉ちゃん!しっかりして!」
「お姉さん!」
「いや……いや……っ……剛さ…… 剛さんっ……」
「美名ちゃん!」
髑髏川達も駆け寄り、由清と真理も喧嘩を止めて何事かと飛んで来た。
智也と祐樹は、鋭い目でテレビを注視していた。
テレビでは今、ドラマの再放送が中断されて、ニュースの緊急放送が始まっている。
キャスターが淡々と速報を読み上げた。
『大手芸能プロダクションOMI本社で、立て籠り事件が起きています。
歌手の西野未菜さんと、マネージャーと、もう一人……
” princes &junky "のマネージャーの綾波剛さんがビルの一室に閉じ込められています。詳しい状況は不明ですが、一人が怪我をしている模様です』
デビューか!高校デビューならぬ……なんだ……まさにバンドデビューか――っ!」
「デビューでもなんでも結構――!俺がリーダーだからな――っ!
お前もその筋肉馬鹿キャラ、改変した方がいいぞ――っ」
「ぬぁんだとぅ――っ?」
言い合いをしている由清と真理をよそに、美名は肩からギターを降ろし、皆の居る方へ向かった。
いつの間にかボンバーメンバー達も集まっている。皆、スマホと、機材の上に置かれたテレビを交互に見ていた。
嫌な予感に、心臓が押し潰されそうになる。美名も、人混みの外から、皆が注目している画面を覗いてみる。
瞬間、小さな叫び声を上げ、足に力が入らなくなると、視界が大きく揺れた。
「――美名さん?あぶな……っ」
力強い腕に抱き留められ、転倒を免れた。が、唇が震え、まともに声を出す事が出来ない。
「あ……あ……あっ」
「美名さん、しっかり……」
美名を抱き留めたのは堺だった。
ペコが飛んできて、美名の手を握り締める。桃子とマイカも走ってやって来て、美名の手を取った。
「お姉ちゃん!しっかりして!」
「お姉さん!」
「いや……いや……っ……剛さ…… 剛さんっ……」
「美名ちゃん!」
髑髏川達も駆け寄り、由清と真理も喧嘩を止めて何事かと飛んで来た。
智也と祐樹は、鋭い目でテレビを注視していた。
テレビでは今、ドラマの再放送が中断されて、ニュースの緊急放送が始まっている。
キャスターが淡々と速報を読み上げた。
『大手芸能プロダクションOMI本社で、立て籠り事件が起きています。
歌手の西野未菜さんと、マネージャーと、もう一人……
” princes &junky "のマネージャーの綾波剛さんがビルの一室に閉じ込められています。詳しい状況は不明ですが、一人が怪我をしている模様です』

