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eyes to me~ 私を見て
第66章 eyes to me~私を見て

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ようやくタクシーを捕まえた智也達は、日比谷へ向かっていた。
車中、ラジオの速報で、西野が病院で意識を取り戻したニュースを聞いた。
「悪運の強い子ねえ」
ペコが肩を竦める。
「西野が大変なのはこれからでしょうね……」
堺は眉を寄せる。
智也は助手席で頷いた。
「そうですね……今まで清廉に思われていた分、色んな事が明るみになるにつれ世間のショックは大きいでしょう。
……OMIに対するイメージも悪くなりますから、あの会社所属のタレント達も、どうなりますかね……」
「引退するって……本気なのかしら?まあ、辞めてくれて構わないけどね」
「ハッタリか、それとも本心か……まあ、今のところは、西野しか知りませんね」
ペコと堺が後部席で西野の話題で盛り上がる中、智也は胸ポケットにしのばせていた、西野未菜に関する調査結果を封筒から出して目を通し始める。
ざっと九割がたは見ていたのだが、まだ見落としがあるかも知れない。
「ねえ堺ちゃん、西野がやる会見、号泣してやるのか、開き直りの極悪キャラで会見するのか、どっちかしら?」
ペコはワクワクしている様だ。
「さあ……会見もするかわかりませんしね」
堺が苦笑する。
ペコは拳を握り締め目を輝かせた。
「――ねえ、賭けよう、堺ちゃん!
私はねえ、西野が号泣会見するのに諭吉さん一枚!」
「え、ええっ?」
堺が小さく叫んだ時、智也は調査票の最後のページの文字を追っていたが、その瞳が凍り付く。

