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eyes to me~ 私を見て
第66章 eyes to me~私を見て

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「ややっ」
運転手が小さく叫んだ。
「どうかしましたか?」
引き続き電話を掛けながら智也が聞くと、運転手が前を指差して言う。
「この道を行けばものの五分程で着くんですがね~臨時工事ですって……参ったな」
迂回すると、直ぐに信号につかまってしまった。
「……こっちも参ったな。誰も電話に出ないな……」
智也が、ふと前方に目をやると、信号の先に見覚えのある物を見た。
運転手はハンドルを指で叩いている。
「この信号長いんですよね……」
「ふあ……なんか私……眠くなって……」
先程から舟を漕いでいたペコが盛大に欠伸をした。
「チーフ……お疲れですね」
「でも寝ちゃいられないわ……今頃、美名ちゃん達が危険と隣り合わせに居て……綾波君だって、日比谷に向かって爆走中なんだから……
ふあ……皆が頑張ってる時に安眠の国へ旅立つなんて……ひうああ……」
ペコは、懸命に眠気と闘いながら、堕ちてくる瞼を指で無理矢理開いたりしている。

