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eyes to me~ 私を見て
第66章 eyes to me~私を見て
智也は、電話を鳴らしながら、目を細め前を注視する。
(なんだか、気になるな……あの白い動く物はなんだ?)
「はあ――っ寝ちゃダメっダメよ――!そうよ!ここは吹雪の雪山!
眠ったら死んでしまうのよ――っキャアアア」
ペコは、頭を車の窓にバンバン打ち付けて喚いた。
「チ、チーフっ!止めてくださっ……」
堺が必死でペコを押さえる。
「危ないからね~大人しく乗ってて下さいよ……と、青になりましたね~」
発進して、十メートル程走った所で智也と堺が目を見張り叫んだ。
「あ――――っ!」
「な、何ですか?お客さん?」
「今の白いタキシード!」
堺が口をパクパクさせる。
「間違いない、綾波だな」
智也は確信を持って頷いた。
「すみません、停まって下さい!」
堺に言われ、運転手はタクシーを路肩に寄せる。
智也は助手席から降りて、逆方向へ走り出した。
「綾波――っ」