この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
eyes to me~ 私を見て
第66章 eyes to me~私を見て
「本当に今日は、楽しかった――!また、会いましょう――!」
美名がマイクで叫ぶと、応えるかの様に大きな拍手が起こった。
全員で横並びになり、手を繋ぎ、深く深く礼をする。
美名は、感激と高揚で、下を向いた瞬間に大粒の涙を溢した。
「美名ちゃ――ん!」
「西くん――っ」
「美名ちゃん――ありがとう!」
「ボンバー!」
「ヤモリさ――んっ」
「猫さ――んっ」
「王子―――!キャアアア」
「野村く――ん!亮介く――ん!根本くん――!」
「西く――んっ!」
「志村さん――!
大室さん―――!」
「真理ぉ――――」
「美名ちゃ――ん――」
「ありがとう――!」
黄色い声や、太い声に、幼い子供の声。
名も知らない人々が、今日、この場限りの自分達の演奏に拍手と声援を送ってくれている。
そして、繰り返される、「ありがとう」という言葉。
美名は、皆と共にステージから手を振りながら、涙を溢れさせながら心の中で幾度も叫んだ。
(ありがとう……本当に、ありがとう、て言わなくちゃならないのは……私の方だよ……ありがとう……!)