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eyes to me~ 私を見て
第66章 eyes to me~私を見て
「困るんだよね、会場で音を出していい時間ってのは決められてるんだから……
さっさと撤収して貰わないと……
はあ~これだから、何にも物の分かってないレジャー目的で来た、にわかスタッフを大勢受け入れるのは嫌だったんだよね……」
スタッフは自分の腕時計を指でトントンと叩く。
「そんな言い方はねぇだろ――!
大体が、こっちは割り増しで会場代を払ってるんだぜっ!お前何様だ――!」
「まっ……真理!」
由清や志村が止めに入ると、スタッフは口元を歪めて笑う。
「品がないですね……さすが、スキャンダルバンドのメンバーだけありますねぇ」
「なっ……」
亮介と髑髏川が顔色を変えた時、手を叩きながら年配の小太りの男性が歩いてきた。
「一曲なら大丈夫ですよ。どうぞ、ステージへ出て下さい」
「佐藤さん!でも」
佐藤と呼ばれた責任者らしき男性は、若いスタッフをいなすように言った。
「まあいいじゃないですか。野音は何の為にあるんですか?
沢山の人が、音楽や演劇や……色んなエンターテイメントを楽しむ為にあるんです。
あんなに一生懸命声を張り上げて、アンコールしてるんだから……ね?」