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第66章 eyes　tｏ　me～私を見て

｢散々待たせて泣かせた綾波君にはいいクスリよ！｣



　ペコは、美名の頭を撫でながら言った。



｢そうそう！もう当分、美名さんに絶対服従ですね！｣



　堺は綾波ににこやかな顔を向けると。当の綾波は苦い顔をしていた。

　

「さて、綾波。美名さんをステージに連れていってやれ｣



　智也が当然の様に言うと、綾波は美名を抱き上げた。



｢きゃあっ｣

｢言われなくても……俺が連れていく｣



　智也は、綾波に涼しい笑みを返した。



｢頼んだぞ……無事に歌姫をステージに送り届けてくれ｣



　綾波は頷くと、美名に｢しっかり掴まれ｣と短く囁き、走り出した。



｢イケイケ――綾波く――ん！｣

｢写真を撮りに行かなくてはっ！｣



　ペコと堺も、顔を見合わせて後に続いた。

　残された智也は、佐藤の肩を叩く。



｢さあ、我々も見に行きましょう……絶世の歌姫のステージを｣