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eyes to me~ 私を見て
第15章 歌姫の妹
『ママ――!電話だよ――!ママ――!電話だよ――!ママ』
「ひゃあああ」
バッグの底のスマホを取り出すのに難儀し、30秒位鳴らしてしまった。
「もしもしっ桃子!何処にいるのよ?」
『お姉ちゃん遅い!もう私はここでの目的は達成したから次のポイントへ向けて出発するよ?』
「えっ……ちょっと待ってなさい!今行くから」
『お姉ちゃんはしょう君とデートしてなよ。私は今超人気イケメンカフェ
“サマー・リーフ”へ向かってるのよ!早く行かないとお店に入れなくなっちゃう!夜までにはアパートに戻るからね、じゃあね!』
「も、桃子――!」
電話は切られてしまった。
――どうしよう。
しょう君とはぐれた事にして先に帰ってしまおうか?
いやでも、そんな事をしたら今度会った時に気まずい……
いやでも……
スマホを手にぐるぐる考えて居たら、女子高生の群れとすれ違い様に翔大が歩いてきた。
翔大は少し息を切らしている。
美名を見るとホッとしたように笑顔になった。
その優しい微笑みに美名は困惑してしまう。
「美名……さっきはゴメン……」
申し訳なさそうに頭を下げる姿を見て何も言えなくなり、目 の奥がギュウと痛み熱くなる。
頭を下げたままの翔大は、10秒位してから恐る恐る顔を上げ、美名が泣いているのを見てぎょっとした。
「美名……ゴメン、本当にゴメン」
翔大が、しゃくり上げる美名を包み込む様に抱き締めてくる。
涙を止めようとしても止まらなかった。
優しく頭を撫でる大きな掌が心地よくてまた新たな涙が溢れる。
(しょう君……
私に優しくしないで……
私は綾波さんの物なの……
これ以上揺らさないで……)
そう思うのに、その腕を振り払う事が出来なかった。
「ひゃあああ」
バッグの底のスマホを取り出すのに難儀し、30秒位鳴らしてしまった。
「もしもしっ桃子!何処にいるのよ?」
『お姉ちゃん遅い!もう私はここでの目的は達成したから次のポイントへ向けて出発するよ?』
「えっ……ちょっと待ってなさい!今行くから」
『お姉ちゃんはしょう君とデートしてなよ。私は今超人気イケメンカフェ
“サマー・リーフ”へ向かってるのよ!早く行かないとお店に入れなくなっちゃう!夜までにはアパートに戻るからね、じゃあね!』
「も、桃子――!」
電話は切られてしまった。
――どうしよう。
しょう君とはぐれた事にして先に帰ってしまおうか?
いやでも、そんな事をしたら今度会った時に気まずい……
いやでも……
スマホを手にぐるぐる考えて居たら、女子高生の群れとすれ違い様に翔大が歩いてきた。
翔大は少し息を切らしている。
美名を見るとホッとしたように笑顔になった。
その優しい微笑みに美名は困惑してしまう。
「美名……さっきはゴメン……」
申し訳なさそうに頭を下げる姿を見て何も言えなくなり、目 の奥がギュウと痛み熱くなる。
頭を下げたままの翔大は、10秒位してから恐る恐る顔を上げ、美名が泣いているのを見てぎょっとした。
「美名……ゴメン、本当にゴメン」
翔大が、しゃくり上げる美名を包み込む様に抱き締めてくる。
涙を止めようとしても止まらなかった。
優しく頭を撫でる大きな掌が心地よくてまた新たな涙が溢れる。
(しょう君……
私に優しくしないで……
私は綾波さんの物なの……
これ以上揺らさないで……)
そう思うのに、その腕を振り払う事が出来なかった。