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第16章 愛を囁く騎士、揺れる歌姫

｢コカ・コーラのデカンタとアイスミルクティーと、スーパーメガ盛りパーティプレート、あとは、レアチーズケーキお願いします｣

　翔大はカラオケルームの電話でオーダーをする。
　美名は、部屋にあるティッシュで鼻をかんではごみ箱に放り、泣きすぎで山盛りになってしまった。
　何故か、過去に翔大との間にあった出来事が走馬灯の様に蘇り、悲しい気持ちになり涙が止まらなくなってしまったのだ。
　たまに、夜寝る前に口惜しい出来事を突然思い出して

｢あの時、こんな風に言い返してやればよかった！アア――！｣

　と眠れなくなる事があるけど、あの事象に似ているかも知れない。

　泣き止まない美名に困り果てた翔大は、お詫びに奢ると言い出したのだ。
　翔大に手を引かれるまま、キャラメイトのカラオケルームに連れてこられた。
　美名がずっと泣いているので、受付の男性店員に不審な目を向けられてしまった。