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eyes to me~ 私を見て
第17章 騎士が獣に変わる夜
 二人がアパートに着いたのは、日が落ちた夕方だった。
 美名は、玄関の前に立ち鍵を回して振り返る。

「えっと……送ってくれてありがとう……」

 翔大は笑窪を見せて笑った。
 沢山泣いてしまった美名は、気まずくて上手く笑えない。

「また、志村さんから連絡来ると思うから……宜しく」
「う、うん」

 玄関先で話して居ると、灰色の丸い物体が物凄いスピードで飛んできて、顔面に当たった。

「いっ?」

 鼻に当たって、かなり痛い。
 押さえていると、翔大に覗き込まれた。

「大丈夫か?ん?何だこれ」

 下に落ちていたのは、三十センチ位のゾウの編みぐるみだった。

「あの子、また作ったのかしら?
 ……で、荷物になるからってここに置いてくのよね……もうっ……桃子、桃子?」

 美名が入っていくと、今度はピンク色の布切れが飛んできて顔に貼り付いた。


「ぶっ!」


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