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eyes to me~ 私を見て
第17章 騎士が獣に変わる夜
 翔大はカーテンを引っ張り外を見て目を細めた。

「小降りになったな……俺、帰るよ」
「えっ……」
「引き留めたら、また襲われるよ?」

 悪戯な笑みで振り返るが、また苦しげに顔を歪めて美名から視線を逸らした。

「美名の泣き顔は可愛いけれど……さっきのは……キツかったよ」
「……」
「他の男の名前を呼んであんなに泣かれたら……何も出来ない」

 美名は俯き、タオルケットを握りしめる。

「でも謝らないよ」
「!」

 翔大はドアを開けた。
 雨の音と絡み付く様な湿気が部屋へ入り込んでくる。

「俺は諦めない」

 翔大は、小さな声で、けれどきっぱりと、美名を見つめ一言放つ。
 玄関を走り抜け、真夜中の雨の中へと消えて行った。

「しょう君」

 美名は、タオルケットを被ったまま、姿が見えなくなった方向を暫く見つめていた。
 溜め息を付いてドアを閉じる時、首筋に残された痕がチクリと痛んだ。




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