この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
eyes to me~ 私を見て
第22章 百万本の花を、歌姫に
**
「どうしよう……何処に落としたのかな」
美名がお風呂に行った時、イヤリングが片方しか無い事に気づいた。
桃子が寝た後、懐中電灯で別荘の中を探していた。
キッチンもお風呂場も、スタジオも見たが、見当たらなくて、スタジオの床に座り込んで途方に暮れる。
(綾波さんがくれた物なのに、どうしよう……)
不意に涙が溢れた時、ドアが開けられた。
懐中電灯を胸に抱いて振り返ると、真理が悲鳴を上げた。
この持ち方はまずかったらしい。
「な、ななな……ガサゴソ音がすると思ったら何してんだよ!驚かすなよな!」
「ごめんね……」
「お前、何泣いてんのさ?」
美名が涙を拭うと、真理はふんと笑った。
「男と離れて寂しくてベソかいてたのか」
「ち、違うよ……大事な物を探してて」