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eyes to me~ 私を見て
第26章 Rock Me
「ハッキリ言って、俺はお前が気にくわない……
 でも、ほなみが悲しむのはもっと嫌だ……」

 駅に到着すると、祐樹は右手を出して来た。

「……形だけは、元通りか?」

 綾波が手を出すと、潰しそうな力で握られる。
 祐樹は涼やかな笑みを浮かべているが、その黒目には不敵な色が宿っていた。

「まあ、そういう事だ」
「……何かあれば言ってこいよ」
「お前の手は借りない……ほなみは俺が守る」

 祐樹は冷たい声で言い捨て車を降りると、待ち合わせの場所らしき駅に併設された喫茶店へ入って行った。
 車が発進した時、窓側のテーブルにほなみが頬杖をついて座っているのが見えた。
 祐樹を見付けたのだろう。
 花が開いた様な笑顔で立ち上がり、そして祐樹に抱き締められていた。
 ほなみの姿に美名がだぶって見えたが、綾波は首を振った。

(――俺が愛しているのは……守るのは美名だ……
 もう二度と迷わない――)

 駅が見えなくなる所まで来ると、心の中で呟いた。



 ――さよなら……ほなみ。



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