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eyes to me~ 私を見て
第28章 獣の求愛
「だから、そんな顔すんなよ……お前に怒ってるんじゃないんだよ」

 真理は苦く笑った。

「え……?」
「何も出来なかった自分に腹が立つんだ……
 お前を守れなかった」
「真理君……!」

 いつにない熱さがその瞳に見えて、ドキリとした。

「美名……俺」
「は、はい?」

 真理は俯いて、何秒か唇を結んでいたが、深い溜め息を吐くと、突然美名の頬をビヨンと引っ張った。

「い、いたあ――!」
「腹が痛いんだ俺は!」
「はあ?」
「だから、さっさとアレを出すぞ!」

 真理は脚立に乗り箱を下ろした途端、

「これで言われた事はやったぞ!ああ、明日の朝の飯が楽しみだ!ワハハハ!俺は腹が痛いからもう寝る!」

 と叫んで厨房から去ろうとするが、入り口に綾波がいて叫ぶ。

「ひいっ!」
「お化けみたいな反応をするなよ……失礼な奴だな。もう話は終わったのか?」
「!」

 真理は、真っ赤になった。

「腹が痛いんだって?お大事にな」

 綾波が肩を叩くと、真理は真っ赤な顔のままで小走りに出ていった。


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