この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
eyes to me~ 私を見て
第28章 獣の求愛
(――けれど、それと恋愛は全く別……
音楽を一緒にしていく仲間なら、きっちりと線を引く強さを私が持たなくてはならなかったのに……
優しくしてくれるしょう君に甘えていたんだ。
その結果、道が別れる事になってしまって……)
黙ってしまった美名の顔を、真理が不意に覗き込む。
美名は慌てて笑顔を作るが、彼の表情が曇った。
「ワリイ。俺が翔大を抑えるつもりだったのに……何も出来なかったな」
「えっ……そんな!真理君が何で……」
真理は拳を固めると、自分の頬を殴り、その衝撃でよろけた。
「――ま、真理君?」
美名が支えようと手を伸ばすが、真理はそれをかわす。
「赤くなってる……冷やさなきゃ」
「いいんだよ!触るな!」
鋭い声に、美名はビクリと固まる。