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eyes to me~ 私を見て
第5章 溺れる歌姫
 美名はベッドから降りて綾波を探した。
 この身体の疼きを、何とかしてもらいたかった。
 昨夜みたいに、また愛して欲しい……

「綾波さん……?」

 バスルームにも何処にも居ない。
 恐る恐る部屋のドアの方まで行くと、彼の靴が無かった。
 クローゼットの中を開けるが、何も入っていない。
 美名はその場にへたり込む。

 ――置き去りにされた……?
 また、騙されたの?
 やる事をやったら、もう私に飽きた?

 色んな考えが頭を駆け巡る。

「何が……何がとびきりの歌姫にしてやる、よ!」

 ウサギの縫いぐるみを壁に何度も叩きつけた。

「もうっ……あんな男なんか……!大嫌い――!呪ってやる――!アソコがかぶれて死んじゃえ――!」

 怒りに任せてウサギを投げると、そのタイミングでドアが開いた。
 綾波の顔面にウサギがヒットして、美名は凍り付く。
 ウサギはポトンと床に落ち、綾波が拾い上げる。

「何を遊んでるんだお前は」

 綾波は、呆れた顔で彼女にウサギを押し付けた。
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