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eyes to me~ 私を見て
第5章 溺れる歌姫
「綾波さ……」

 美名の目から涙がボロリと落ちる。

「また泣くのか」

 綾波は靴を脱ぐと、美名の肩を抱いて部屋へ入った。

「だって……だって……居なかったから……」

 ウサギを抱き締めながらしゃくり上げると、綾波の手が頭を撫でてくる。

「黙って出ていって悪かった。お前の着替えを用意しに行ってたんだ……良く眠ってたから起こさずにいた」
「そ、そうなの……?」

 うぐうぐと泣きながら綾波を見ると、綾波は困った様な、切ない様な表情をしている。
 確かに、大きな紙袋が二つベッドの脇に置かれていた。
 わざわざ用意してくれたのだと思うと嬉しい。

「その格好で外に出られないだろう?」
 
 美名は霰もない自分の姿を思い出し、慌てて手で隠そうとするが、手を掴まれてベッドに押し倒される。
 ウサギが床に落ちた。
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