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eyes to me~ 私を見て
第30章 さよなら、愛しい獣
凶暴なほどに眩しい白い光で目が覚める。
屋根裏の天窓に広がるのは、昨夜美名と眺めた星空ではなく、真夏の真っ青な色と入道雲の白との鮮やかなコントラストだった。
いつの間に自分は眠っていたのか……
綾波は、陽射しを避けるようにベッドから降りて両手を額の前で組み瞼を閉じた。
嫉妬に狂って、美名を滅茶苦茶に抱いた……
美名が、たとえ奴に何をされていようと、俺が彼女を愛している事には変わらない。
奴を憎んでも、美名を憎む事は無い、と思っていた……
ほなみに恋していた時には、ここまでのどす黒い気持ちを抱いた事はなかった。
そうか俺は……
初めて人を愛したのかも知れない……
本気で愛しているから、許せないと思ってしまった。
東京から長野へやって来たのは、こんな風にする為では無かった。
とにかく美名に会いたかった。
愛している、と伝えに来た筈なのに。