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eyes to me~ 私を見て
第6章 獣の戸惑い
綾波は、乱したシーツをきっちりと元に戻し、美名が着ていたネグリジェを畳みベッドの上に置く。
ホテルの従業員が片付けると分かっているが、これは自分の性分だ。
――もう十時か。
そろそろここを出ないと――
バスルームから美名の鼻唄が聴こえてきてハッとする。
――やはり俺の耳に狂いはなかった。
聴いた途端に心を鷲掴みにする甘いハイトーンボイスだが、低音域も美しく響く。
少女の様にも大人にも見えて、清純な中にも仄かな色気が垣間見える美名は売り方次第で大スターになるだろう。
今まで他の誰にも見つけられず居たが、俺が見出だしたからには、必ずとびきりの歌姫にしてみせる。