この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
eyes to me~ 私を見て
第33章 新生princess&junky
そんな言い合いをしているとガチャリとドアが開いた。
意外な人物が現れ、皆が息を呑む。
襟足が長い黒い髪、優しげな輪郭、スラッとした身体にレザージャケットを羽織り、ブーツも様になっている。
物静かな佇まいの中に強い意思を感じさせる瞳の……
「しょう君……」
「何故お前が此処にいる?」
真理が美名を庇うように立ちはだかると、翔大は柔らかく笑った。
翔大は、背の高い長髪のサングラスの男と、ハーフっぽい顔立ちの可愛い小さな女の子を伴っていた。
「久し振りですね……綾波さん」
翔大は真理を無視して後ろに居る綾波を鋭く見た。
「殴られた痕はもう治ったのか」
皮肉に言う綾波に、翔大は余裕の笑みを返す。
「……あの位、痛くも痒くもありませんよ……
今、痛い思いをしているのは貴方の方では?」
綾波が表情を固くする。
「……何の事だ」
翔大は答えずに、フンと鼻を鳴らすと、真理の後ろの美名に流し目を送った。
「やあ……美名。とても素敵だね」
「……っ」
美名は真理の腕を思わずギュッと握る。