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eyes to me~ 私を見て
第33章 新生princess&junky



 翔大は、美名の顎をそっと持つと、器用に唇にリップを塗り始めた。
 呆気に取られている美名を、色んな角度から見て満足げに頷く。

「うん……もっと綺麗になった」
「……っ」

 美名は先程の真理とのキスで口紅が剥げてしまっていた事に思い当たり、頬が熱くなる。
 翔大は、クスリと笑うと、スティックを美名に握らせた。

「プレゼントだよ」
「えっ……」
「……この前のお詫び……かな」
「……」
「こんな物で、チャラになるとは思ってないけどさ……よく似合うよ?」
「う、うん……ありがとう……じゃあ、行くね」
「頑張ってな」

 美名の栗色の巻いた髪が揺れるのを、翔大は笑顔で見つめていた。
 端から見たら、爽やかな笑顔だ。だが、翔大の胸の中は黒い思惑がとぐろを巻いている。

(……美名……
 真理とは、上手く行かないんだろう?
 俺には分かる……
 綾波の事をまだ思って苦しいなら……
 俺が……忘れさせる。
 俺なら忘れさせる事ができる……
 美名が俺の腕の中へと堕ちるように……
 罠を沢山仕掛けてあげるから……)





「君は…………俺の物だ」







 翔大は低く呟いた。

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