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eyes to me~ 私を見て
第33章 新生princess&junky

喉が痛む。
締め付けられて、苦しい。
鼻がツンとして涙が溢れそうになるが、ぎゅっと目を閉じて堪える。
「……泣いたらダメ……今から……撮影が……」
フラフラと立ち上がり倉庫から出ると、丁度翔大がやって来てビクリとする。
翔大は目を丸くした。
「美名、こんな所に居たのか?もう少ししたら美名の撮影が始まるよ」
「う、うん……行くね」
平静を装い、隣をすり抜けようとすると、腕を掴まれる。
「――!」
翔大が、涼やかな瞳を向けて顔を近付けて来た。
「や、やめ……やめてっ」
ぷっ、という笑い声がして頭をポンと軽く叩かれた。
「?」
「そんなに怖がるなよ……まあ、仕方ないか……」
翔大はポケットから小さな箱を出すと、封を切って中身を取り出す。
翔大が手にしているのはリップスティックだった。

