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eyes to me~ 私を見て
第35章 ガラクタと歌姫と
綾波は、唇を震わす美名をそっと抱き締め、切ない瞳を向けた。
「ああ……最初は……お前にほなみを重ねていた……」
初めて抱かれた時に、その名前を綾波が呟いた事が蘇り、身体が震えた。
「……すまん」
「……っ」
何も言えず、ただ綾波を見たが、涙が溢れて来る。
「だが……最初だけだ……
俺はいつの間にか……お前の事で一杯になっていたんだ」
「ウソ……っ」
「嘘じゃない」
「じゃあ……何故私に冷たくしたのよ!
私が……私がどんなに苦しかったか……」
美名は綾波の胸の中で腕をばたつかせた。
「お前が俺を憎んで……忘れて他の奴と幸せになるなら、その方がいいと思ったんだ」
「……!」