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eyes to me~ 私を見て
第35章 ガラクタと歌姫と



 綾波のしなやかな手が、美名の髪を掬い取り、宝物を扱う様に優しく口付ける。

「お前は……俺のただ一人の歌姫だ……俺の……姫君だ。
 お前にたった二晩触れられないだけで……お前に似た人妻のほなみに欲情する……どうしようもない獣さ。
 こんなガラクタみたいな男は、姫君には相応しくない……そう思ったんだ」

美名は首を振る。

「そ、そんな……ガラクタだなんて」

綾波がフッと笑う。

「実際、お前だって……俺を憎んだだろう?
 俺を……許せるのか?」
「……わからないよ」
「それでもいい……許せなくても……お前を愛させてくれ」
「……!」

 二人は、月明かりの射し込むベッドの上で見つめ合い、どちらからともなく唇を重ね合った。
 指を絡ませて、纏わり付くようなキスを交わし合いながらベッドの上でお互いを慈しむ様に愛した。
 何度も、何度も……



「愛してる」と囁きながら……





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