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eyes to me~ 私を見て
第36章 silent wolfが牙を剥く

――ポキノンの撮影の時に泣き腫らしていた美名。
昔付き合っていた時に、翔大が泣かせた事もあるが、他の男に泣かされて居るのを見るのは膓(はらわた)が煮える思いだ。
(真理……あいつは、どんな風に美名を抱いていたのか……)
思わず唇を噛んだ時、不意に後ろからフワリと甘い香りがした。
聖恵の柔らかい手が翔大の腕をそっと握っている。
翔大はミラー越しに優しく微笑みを向けた。
「……聖恵……分かってるよ……
部屋に付くまで我慢して?」
「もう……待てないもん」
「仕方ない子だね」
「は――、やってらんねー」
庄森は目を掌で覆った。

