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eyes to me~ 私を見て
第36章 silent wolfが牙を剥く

自分が大きな男になれば。
例えば、立派なミュージシャンになれば。
……何が基準で立派なのかはわからないけれど。
世の中の人達が俺の名前を耳にしただけで感嘆するような、そんな人間になれたら。
そうなれたら、美名は戻ってきてくれるのだろうか。
あの頃の自分は、そう信じていた。
……今でもその気持ちは変わっていない。
どんな手を使ってでも、美名が欲しい。
今自分がしている事が間違っているとしても……それでも構わない。
「……すう……」
聖恵はいつの間にか眠っていた。
その寝顔が美名と重なり、翔大は髪を撫で、離れた思い人に心を飛ばした。

