この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
eyes to me~ 私を見て
第36章 silent wolfが牙を剥く

「……私から、質問してもいいですか?」
「うん……何?」
「美名さんの事……」
「……」
「そんなに好きなら……何故別れちゃったんですか?」
「……寝物語にはちょっと相応しくない話題だね」
翔大は苦笑いする。
「……ごめんなさい」
目をふせた聖恵の額を指で撫でながら、翔大は遠い目をした。
「多分……自分がとても小さく見えて……自信がなかったんだろうな」
「……今は、自信があるんじゃないですか?」
聖恵の目がトロンとしてきた。
「どうかな……」
額から頬に指を移動してそっと触れながら美名の十八の頃を思った。
今の聖恵と同じ年齢だ。
あの頃の美名は眩しくて、自分の手には負えない様な気がしていた。
何一つ成し遂げられない自分は、美名の隣に居るのに相応しくないと思っていた……

