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eyes to me~ 私を見て
第7章 恋い焦がれる獣
「うわあ……広い……こんな所にひとりで住んでるとか、贅沢っていうか……ムカつく」

 綾波のマンションの部屋に足を踏み入れ、美名が最初に放った言葉は、いきなりクレームじみていた。

「ムカつくってお前」

 美名はリビングをぐるりと見渡して、水槽の中の魚を見ると少し頬を緩めた。

「可愛い……私が来たら側に寄ってきたよ?」
「俺と同じで、お前の事が好きなんだろう」

 上着を脱ぎながら軽く言ったら、水槽に映る美名の顔が真っ赤になっている。

(おい……この位の軽口でそんな反応をするのか)

 美名が振り返り、彼女と目が合う。
 彼女は明らかに狼狽していた。
 取り繕う様に笑って、綾波の脇を顔を見ずにすり抜ける。

「でも片付いてるね。自分で掃除するの?」

 美名は収納部屋やら物置になっている部屋やら、探索を始めた。
 一番奥の部屋のドアを開けると、美名は溜め息混じりの喚声を上げる。

「すご……ピアノ!?しかもグランドピアノって」


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