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第39章 騎士の仕掛けた罠

｢だから……そうじゃないって言ってるだろ！そこはもっと」

　大室所有のスタジオではsilent wolfのメンバーが練習で朝から籠っていた。
　思うように捗らず、翔大は苛立ちを顕にする。
　庄村はスティッキを放り出して怒鳴った。

｢お前の要求は高度過ぎるんだよ！そんなプレイどこの誰が出来るってんだ！
　どーせテレビ収録はアテフリでって言われてんだろ？
　目を三角にして練習やったって無駄だろうが！｣
｢何だと……？｣

　翔大が顔色を変える。

｢大体がお前はデビューするならメンバーが俺たちじゃなくたっていいんだろ？
　志村の所のあの女を取り戻せたらそれでいいんだからな！けっ！
　冗談じゃね――よ！｣

　庄村はドラムセットの椅子から立ち上がると、聖恵の制止も聞かずに出ていってしまった。