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eyes to me~ 私を見て
第2章 歌姫は獣と出逢う
「デビューしたら応援するよ!頑張ってね!」
握手を求められた美名は、視線の主を見つける前に、女の子に向き直りその手を両手で握った。
握手をする時は、片手ではなく両の手でするようにしている。
包み込む様に優しく握り、相手の目を見て誠実にお礼の気持ちを伝えるのだ。
歌手を目指して上京してきたものの、何のツテもきっかけも持ち合わせて居ない自分は、歌を聞いてくれた人達にこうして精一杯心で返すしかできない。
――また、何処かで会えますように。
いつか、ステージに立てた時には
『貴方のお陰で頑張れたよ』
て、ステージから御礼を言うからね?
心の中で祈りながら握手をする。
「そろそろ、会場に行くね!ヒメちゃんまたね!」
女の子はblackのマフラータオルを首に巻き、手を振りながら歩道橋へ向かって走っていった。
美名も手を振り返す。
また視線を感じて周りを見ると、周囲の雰囲気にそぐわない人物が少し離れた所からこちらを見ていた。
握手を求められた美名は、視線の主を見つける前に、女の子に向き直りその手を両手で握った。
握手をする時は、片手ではなく両の手でするようにしている。
包み込む様に優しく握り、相手の目を見て誠実にお礼の気持ちを伝えるのだ。
歌手を目指して上京してきたものの、何のツテもきっかけも持ち合わせて居ない自分は、歌を聞いてくれた人達にこうして精一杯心で返すしかできない。
――また、何処かで会えますように。
いつか、ステージに立てた時には
『貴方のお陰で頑張れたよ』
て、ステージから御礼を言うからね?
心の中で祈りながら握手をする。
「そろそろ、会場に行くね!ヒメちゃんまたね!」
女の子はblackのマフラータオルを首に巻き、手を振りながら歩道橋へ向かって走っていった。
美名も手を振り返す。
また視線を感じて周りを見ると、周囲の雰囲気にそぐわない人物が少し離れた所からこちらを見ていた。