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eyes to me~ 私を見て
第7章 恋い焦がれる獣
 ピンクの唇が花開く様に微かに動いた。

「剛……」

 どんなに甘く蕩けるスイーツも、ここまでの甘さを以て彼を溶かさないだろう。
 美名の声で呼ばれると、全く違う意味の響きを持つように思える。
 甘さが染み渡るよりも深く、何故か、痛みが胸に突き刺さった。

 ――もう一度呼ばれたら、完全に俺は美名の虜になる――

 長い流れる髪にキスして、その唇が動くのを待つ。
 美名の顔がゆでダコみたいになったと思うと、突然顔を手で覆い甲高く叫んだ。

「あ―――――!無理!ムリムリムリムリ――!」

 ただでさえ通る美名の声だ。何処から出しているんだと聞きたくなる程の高いシャウトみたいな叫びに、綾波の鼓膜は限界寸前だった。
 耳がキンキンする。
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