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第41章 歌姫、舞踏会で歌う

　桃子がマイカに抱き着く。

｢マイカちゃんスゴーイ！｣
｢人命救助講座にね、この間行ったばかりなの。早速役立ってよかった～｣

　大室が薄目を開けると、志村と堺が覗き込む。

｢大室さん――わかりますか？｣
｢大室、生きてる？｣
｢オジサン、大丈夫？｣

　マイカも覗くと、大室は目を大きく見開いた。

｢ゆき……の……？｣
｢へっ？｣

　倒れていた大室は、いきなりマイカの腕を掴むと身体を引き寄せて抱き締めた。

｢ち、ちょっと！オジさんっ｣

　マイカが面食らって手足をバタバタさせる。

｢雪乃……逢いたかった……｣
｢何よ――何言ってんの！ボケてんの？離してっ｣

　大室はマイカを離そうとしない。

｢お、大室さん！｣

　堺がマイカをひっぺがそうとするが、上手く行かない。