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eyes to me~ 私を見て
第41章 歌姫、舞踏会で歌う

「んもうう!離せ――このエロジジイ――!」
マイカは、裏拳で堺を吹っ飛ばすと、大室の顎に頭突きした。
大室は「ぐおっ」と叫び、ようやくマイカを離す。
堺は綾波に抱き留められた。
「大丈夫ですか堺さん」
「ひ……な、何故僕を殴る……」
翔大が、到着した救急隊員を連れて走ってきた。
「大室さん、救急車が来ましたよ」
大室はムクリと起き上がると、不満げに翔大を睨む。
「俺はピンピンしてるぜ?そんな必要ない」
「ダメですよ!」
「念のために病院へ行った方が良いですよ!」
救急隊員達も大室を説得する。
大室は諦めた様に溜め息を付き、担架に乗った。
乗り込む時にマイカをちらりと見ると、マイカは桃子に抱きついて身を固くする。
「ありがとう……お嬢さん……この御礼は改めて」
ウィンクをすると、隊員に促され横に寝かされる。
「どなたか付き添っていただけませんか」
「私が行くわ」
隊員の呼び掛けに応じたのは志村だった。

