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eyes to me~ 私を見て
第42章 愛欲の塔で
黙っていた聖恵が口を開いた。
「……翔大さんは……美名さんと一緒です……」
「おい、聖恵!」
庄森が咎めるが、聖恵は首を振り涙を溢す。
「……多分……翔大さんのマンションに向かった……筈です……」
桃子は、ずいっと聖恵に近づき、真っ直ぐに見つめた。
「翔大さんのマンションて、何処なの?」
「……〇〇区のヴェルベル・プランドール・パラシオンスウィートの9523号室……です」
「ううっ……舌噛みそうな名前っ……うん、分かった!」
桃子は皆を振り返る。
「お姉ちゃんを助けに行くよ!翔大さんにお灸を据えてやらないと!」
「桃子ちゃん……無茶はしないで……お、俺が頑張るから」
三広は、顔をひきつらせながら、拳を握った。
「翔大め――!重ね重ね許せん!」
真理は歯軋りしている。
「これって……誘拐になるかもね」
由清の言葉に、皆がハッと息を呑む。
今にも揃って走り出そうとする勢いの面々に、マイカが冷静な一言を放った。
「待機組と、捜索組に分かれた方がよくない?」