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eyes to me~ 私を見て
第42章 愛欲の塔で
「離せっ」
綾波が暴れるが、屈強な警備員二人がかりで押さえられて身動きが取れない。
「事情はあちらの部屋で伺います……こちらへ」
「離せ……こんな事をしている間に美名が……っ……クソ!」
「反抗すると通報しますよ……さあ、来てください」
警備員に連れられて行ってしまった綾波を追いかけようとする三広を、堺が止めた。
「一体どうしたんです?」
「お姉ちゃん……お姉ちゃんが居ない!」
桃子は、今頃気が付いて顔色を変える。
「なにぃ――?」
真理が目を剥いた。
「……翔大も居ないの?」
由清が不安げに言うと、皆が沈黙した。
「翔大さん……まさかお姉ちゃんを」
桃子が口を覆った。