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eyes to me~ 私を見て
第42章 愛欲の塔で



 翔大の指が、胸元のリボンをほどいていく。

「や……やっ」

 掴まれて自由にならない腕をよじらせ、体や脚を懸命に動かしても何の抵抗にもならない。とうとう翔大は片手で器用にリボンを全部外してしまった。

「脱がすのに面倒なドレスだね……」
「お……お願い……帰して……」

 美名の唇が震える。

(ついさっきまで、皆と一緒に、剛さんと居たのに……
 何故こんな事になるの?
 一緒にステージで歌っていた時には、こんな素振りは全く見せなかったのに。
 以前の様に、優しい笑顔で私を見ていたのに――)

 今、目の前でドレスのボタンを外す翔大は笑っていなかった。


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