この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
eyes to me~ 私を見て
第42章 愛欲の塔で
翔大の指が、胸元のリボンをほどいていく。
「や……やっ」
掴まれて自由にならない腕をよじらせ、体や脚を懸命に動かしても何の抵抗にもならない。とうとう翔大は片手で器用にリボンを全部外してしまった。
「脱がすのに面倒なドレスだね……」
「お……お願い……帰して……」
美名の唇が震える。
(ついさっきまで、皆と一緒に、剛さんと居たのに……
何故こんな事になるの?
一緒にステージで歌っていた時には、こんな素振りは全く見せなかったのに。
以前の様に、優しい笑顔で私を見ていたのに――)
今、目の前でドレスのボタンを外す翔大は笑っていなかった。