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eyes to me~ 私を見て
第42章 愛欲の塔で
「silent wolfの子達……翔大君を頼むわよ?
私が助けてあげたいけど……あんたがプロデューサーなんだから!」
「……」
志村は夜空を見上げると、ポソリと呟いた。
「……雪乃は、私とあんたが、一緒にドームのステージで共演するのを見たい……
それまで頑張って生きる、治してみせるって言ったのよ……」
「な……んだって?」
「やっと……あんたに話せたわ……」
「……雪乃……っ」
大室は唇を震わせ、拳を握りしめて俯いた。
志村は彼の肩をそっと叩く。
「もう……終わりにしましょう?無駄ないがみ合いは……
お互い、自分や、生きてる周りの人達を大切にしなくちゃね?」
「賢一……っ……俺は……」
「はいはい……」
志村は、肩を震わせて嗚咽する大室をそっと抱き締めた。