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eyes to me~ 私を見て
第43章 罪×罰
水の中に潜っているかのように身体が思うように動かない。
収まった筈の震えがまた始まってしまい、服を掴んでも落としてしまう。
(早くしなくちゃ。
着替えて、剛さんの所へ……)
やっとの思いで服を着て、脱いだネグリジェを畳もうと手に取ると、鉄の匂いが鼻をつく。
白い布が胸の部分から裾まで赤く染まっているのが目に飛び込んできて、背中が冷たくなった。
自分が着ている時には分からなかったが、こんなに血が付いていたなんて。
剛さんの……血……
思わず自分の両手を広げて見ると、おびただしい赤色に染まる幻覚に襲われる。
「やだ……嫌……剛さん……っ」
深紅の血溜まりの中に横たわる彼の姿の映像が、頭の中に鮮明に浮かんだ時、美名は発狂したかの様な叫びを上げて、その場に倒れた。