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eyes to me~ 私を見て
第44章 デビュー前夜
『志村さん……どうでしょう、美名さんの様子は』
堺が心配そうに眉を歪める。
『そうよっ……可哀想に!
美人って、周りに思われてる程お得じゃないのよねえ……
美しいが故に、悪い奴等や陰鬱な欲望を抱えている奴等に狙われて餌食にされるのよっ!……美しいって、苦しい事なのよ……わかるわあ……わたくしも毎日苦しくって……』
ペコはタオルで涙を拭きながら芝居がかった口調で語る。
堺と志村は唖然としてペコを見つめた。
『まあ……そうね。確かに、美名ちゃんは今まで可愛いが故に、巻き込まれなくても良い事に巻き込まれてきたかもね……』
志村は溜め息を付いた。
美名を受け止められるのは綾波のような男しかいないのだろう。
けれどその綾波は、一命は取り止めたが、まだ意識が戻らない。