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eyes to me~ 私を見て
第44章 デビュー前夜
志村は、やれやれ、と肩をすくめた。
「美名ちゃんの気分転換になって良いかもね」
「あの……ところで……被害届はどうするんですか?」
由清が訊ねた。
「う――ん……それをする事によって美名ちゃんが余計に辛い思いをするかも知れないからね…… この事が表沙汰になったら面白おかしく噂されないとも限らないしね」
「翔大は……silent wolfは?あれから活動の様子がわかりませんけど……」
由清の表情が曇っている。
美名の事だけでなく、かつての仲間を気にかけているようだ。
「大室が退院したら、あいつに聞いてみるわね……そろそろじゃないかしら……」
「……明日……俺、正直不安です……これからの事も」
「由清君……」
志村は由清の頭をポンと優しく叩くが、次の瞬間には軽々とその身体を抱えて、尻を思いきり殴った。
「い――――っ!?」
「んもう――!そういうマイナスな言葉を言ったらダメよ!
美名ちゃんだって頑張ってるのに――!」