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eyes to me~ 私を見て
第44章 デビュー前夜
「ばっ……」
閉まったドアを呆然と見て、真理は赤面した。
「しっ失礼な!まるで俺を痴漢か何かみたいによ――っ」
真理は拳を握りしめジタバタするが、寝息を立てる美名を見て、ますます顔を赤くした。
短い間ではあったが、恋人同士だったのだ。
正直、今でも恋心は抱いている。
だが、美名は綾波の物だ……
自分の総てで美名を幸せにできる、と、付き合っていた時には思っていた。
……けれど、綾波の様に激しく、命を懸けて愛する事が自分には出来るのか?
と、今は思う。
マンションの高層階から落ちた美名を、何の迷いもなく受け止めようと動いた綾波。
スーパーマンでも何でもない普通の人間が、ああした行動を取るだろうか。